LOVE and DAYS…瞬きのように
きっとまだ心の中ではミツルを好きなんだろうけど、
それを表には出さず、今まで通り友達として接している真由ちゃん。
やっぱり、いい子なんだよなあ……。
「おー、ミツル。何持ってんだ?」
トイレから出てきた健吾が、ミツルの持ってきたものに目をやって言った。
「あっこれ、七夕の笹です」
「七夕?」
復唱してたずねたあたしを、あきれた目でにらむミツル。
「今日は7月7日だろ。こんなロマンチックな日を男の俺が覚えてて、なんで女のお前は忘れてるかな」
「悪かったわね。で、わざわざ買ったの、それ?」
「うん。ほんとは彼女と七夕を祝うつもりだったんだけど、あっちの門限が厳しくて断られたんだ」
それを聞いたシンさんが
「お嬢さんタイプと付き合うのも大変だね~」
と、部屋の中から冷やかした。
するとミツルは
「でもその分、会えたときは超幸せっすけどね!」
と、のん気にノロケる。
なんだかムカついたので、あたしはミツルの二の腕を後ろからつねってやった。