LOVE and DAYS…瞬きのように
北高は中間テストの時期らしく、生徒たちはすでに下校し始めていた。
他校の制服で校門前に立つあたしを、周りは奇異の目で見ている。
だけどそんなことも気にならないくらい、強い憤りがあたしの中を渦巻いていた。
ぞろぞろと校門を出ていく女子の集団。
その中にミサキの姿を見つけた。
あちらもあたしに気づき、足を止めた。
「……何か用?」
ミサキの瞳に、戸惑いと威嚇の色がにじむ。
「用があるのは、そっちでしょ?」
負けじと睨んで言い返すと、ミサキは「さあ」と肩をすくめてとぼけた。
「もう莉子ちゃんに用なんかないよ。
健吾とあっさり別れてくれたみたいだし」
頭の中で、パチンと何かが弾けた音がした。
「……ふざけんなっ!」
あたしは右手に持っていた鞄を力まかせに投げつけた。