LOVE and DAYS…瞬きのように

驚いて目を見開き、両手で顔面をかばうミサキ。

鞄が地面に落ちたと同時に、あたしはミサキにつかみかかった。
 

周囲から悲鳴とどよめきが上がる。

だけど間に入ってまで止めようとする人はいない。
 

ミサキの制服のえりをつかみ、引きちぎるように横に引っ張ると、体のバランスが崩れた。


そのまま地面に倒れたミサキの上に馬乗りになり、頬を殴りつけた。


「やっ、何すんのよっ!」
 

あたしの下でミサキがもがくけれど、止められない。


これほどまでの力や憎悪が、自分の体のどこから出てくるのか、あたし自身信じられなかった。


「やめてってば!」
 

金切り声で叫ぶミサキ。

痛みと困惑からか、ミサキの目には涙がにじんでいる。

それがよけい、あたしの怒りに火をつけた。


「泣くくらいなら……泣くくらいなら最初から、あんなことしなきゃいいんじゃん!」
 

……この女が
あんなことしなければ

あたしは今も健吾のそばにいられたのに!
 


もう一度大きく右手を振り上げたところで、後ろから羽交い締めにされた。


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