LOVE and DAYS…瞬きのように
「あんたを危険な目に合わせたのは悪いと思ってる。
あんなことしても健吾を怒らせるだけで、もう一度あたしを好きになってもらえるなんて思ってない。
……それでも、忘れ去られるよりは、ずっとマシだと思ったの。
こんなあたしの気持ち、あんたにはわからないでしょ!」
最後の方はほとんど絶叫に近い声だった。
わかんないよ。
わかるわけがない。
わかりたくもない。
だけど
健吾に忘れられたくないという思いは痛いくらいわかるから。
あたしはミサキに言い返すことができなかった。
……あたしも、いつかは健吾の中から消えていくんだ。
あたしがずっと健吾を想い続けても。
あたしはもう健吾の彼女じゃない。
健吾はもう
思い出の中でしか笑いかけてくれない……。
あたしはアキの胸から顔を離し、もう一度ミサキの方を見下ろした。
髪も服も乱れ、地面にへたりこむミサキ。
その瞳は不自然に一点を見つめ、大きく見開いている。
何かと思い、ミサキの視線の先を追ったあたしも、同じように目を丸くした。
少し離れたところに、健吾とシンさんの姿があった。