クールな彼の甘苦い罠
紫月side




紫月side





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ブーブーブー


終礼後、ポケットの中で鳴るスマホ


《 家で待ってるね 》

と たくさんの絵文字付きのメッセージ。


戸塚 胡桃 ( トツカ クルミ )
1つ年上の先輩


先輩とは 半年前から絡むようになり、
ただお互い寂しさを埋めるための関係

…だった。


だから、あの日
キスしてる俺たちをたまたま見た松木。


《 今日むり。悪いな 》

と、俺は返事をして 足早に教室を出た。



いつもなら、行っている


だけど


「 気になる? 」

「 …は? 」


終礼後、いつのまにか足立が横にいて
突然話しかけてくる。


「 はるのこと見てたでしょ?」


って 足立は教卓の方を指差して言う。

教卓では松木と担任が話をしていた。


「 見てないけど 」

俺は 足立に目を向けて言うけど
全然信じてくれる様子はない






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