追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「エマの部屋、今もそのままだよ。掃除はしてもらっているけど、どうしても片付けられなくて。こっちは、僕の新しい部屋」

シリルはフレディオの部屋に移ったようだ。

「そこに座って。今、部下を呼ぶから」

彼の言葉に甘え、魔王の部屋のソファーに腰掛ける。

シリルが伝令の風魔法を飛ばすと、すぐに誰かが部屋にやって来た。

「お呼びですか、魔王陛下。今、仕事中なので、超忙しいのですが!」

入室してきたその人物は、私を見た瞬間に言葉を止める。

「あ、あなたは……」

それは、以前と全く変わらない姿のアルフィだった。

彼は私を見ると大きく目を見開き、持っていた書類を取り落としそうになる。

ヒョコッと、長い兎耳も飛び出した。

「エマさん!? まさか、そんなはずは……あなたは、百年前に亡くなったはず。お墓も作ったのですから」

おろおろするアルフィに目を向けた私は、苦笑いしながら答える。

「ええと、フレディオのスキルの力で転生しました」

そこで、私はフレディオがくれた加護について、二人に話をした。

二人とも、死後の私とフレディオのやり取りは知らないのだ。

「……というわけなんです」

「エマのステータスに父上の加護があったのは、そういうことだったのか」

シリルの方は、詳細は知らないものの、私のステータスを見て気づいたようだ。
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