追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「大体の事情はわかったから、エマはもう休んで。これからのことは、明日以降に考えよう。そこに僕のベッドがあるから、一緒に……」

「あの、私の部屋は?」

「もちろん、部屋は整えてあるけど、こっちの方が近いし。昔は一緒に寝たでしょう?」

「シリル、それはちょっと、問題があるのではないでしょうか?」

子供の頃と同じ目で見つめられると、言うことを聞いてあげたい気分になる。

前世ではよく、モフモフに変化した彼を抱きしめて眠ったものだ。

けれど、今の彼は大人姿。

同衾するのは大いに問題があると思うんだよね。

「どうしても駄目? せっかく、エマに会えたから、少しでも一緒にいたいんだ」

うるうるとこちらを見つめるシリルの頭に、ピョコッと銀色の狐耳が出現する。

足下にはフサフサの長い尻尾が垂れていた。

……どうしよう、すごくモフりたい。今日だけ一緒に過ごそうかな。

モフモフの誘惑に陥落した私は、観念して首を縦に振る。

「仕方がないですね」

私が答えると、シリルは昔よりも大きな銀狐の姿になり、ベッドに駆け上ったのだった。ああ、可愛い……

モフモフした彼の毛並みは、百年経っても私を癒やしてくれるのだ。
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