追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
翌日、誘拐犯が捕まったとの知らせが入った。
この日は食堂が休みで、私は朝からのんびり魔王城を散歩していた。
手には甘い香りを放つ、焼きたてのアップルパイ。
仕事を頑張っているキリルたちに持って行こうと、朝から張り切って作ったのだ。
一応、お試しの恋人なので。
そうして、キリルの仕事部屋を訪れたところ、ちょうど誘拐犯の話を耳にしてしまったのだ。
シリルとアルフィが会話中だった。
「……ということは、犯人は?」
「一人は聞き出そうとした途端、なぜか事切れたらしいです。不自然な様子で、毒なども見つからなかったと」
「呪いを使われた可能性があるね」
「はい、その線で調査しているところです。キーランには、過去に召喚した異世界人が作った魔法書物や道具も残されているそうですから。それらは聖遺物と呼ばれているそうですよ……陛下も、エマさんの着替えを『聖遺物だ』とか言って全部引き取りましたよね。そんな感じかと」
「……料理長だって、エマのレシピを『聖遺物』と呼んでいたけど?」
そこで、二人は部屋の入り口に佇む私に気づいた。
「エマ!! 会いたかったよ!!」
先ほどの真面目な様子とは打って変わって、シリルが満面の笑みを浮かべて駆け寄ってくる。
この日は食堂が休みで、私は朝からのんびり魔王城を散歩していた。
手には甘い香りを放つ、焼きたてのアップルパイ。
仕事を頑張っているキリルたちに持って行こうと、朝から張り切って作ったのだ。
一応、お試しの恋人なので。
そうして、キリルの仕事部屋を訪れたところ、ちょうど誘拐犯の話を耳にしてしまったのだ。
シリルとアルフィが会話中だった。
「……ということは、犯人は?」
「一人は聞き出そうとした途端、なぜか事切れたらしいです。不自然な様子で、毒なども見つからなかったと」
「呪いを使われた可能性があるね」
「はい、その線で調査しているところです。キーランには、過去に召喚した異世界人が作った魔法書物や道具も残されているそうですから。それらは聖遺物と呼ばれているそうですよ……陛下も、エマさんの着替えを『聖遺物だ』とか言って全部引き取りましたよね。そんな感じかと」
「……料理長だって、エマのレシピを『聖遺物』と呼んでいたけど?」
そこで、二人は部屋の入り口に佇む私に気づいた。
「エマ!! 会いたかったよ!!」
先ほどの真面目な様子とは打って変わって、シリルが満面の笑みを浮かべて駆け寄ってくる。