追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
そうして、子犬を抱きしめた私は、シリルに運ばれて救出された下級魔族たちに合流する。小さなモフモフたちは、エマが戻ってきたのを見て喜んでくれた。

「皆、無事で良かったです。もう大丈夫ですよ、シリルが呪いの元になった道具を壊してくれましたから。さあ、皆でモフィーニアに帰りましょう」

予めアルフィが城の庭に作ってくれた転移陣に、モフモフたちを誘導する。

魔族の兵士や役人は、アルフィを補佐するために残っている。

「聖女様、下級魔族を連れて、先にお帰りください。あとは、我々が」

「無理しないで。何かあれば、この転移陣から逃げてください」

正直、私には国同士の細かなやり取りはわからない。

前世で魔王だったのは一瞬だし、今世でも食堂経営に没頭していたからだ。

ここは、彼らに任せた方がいい。

「エマ、行こう」

シリルに腕を惹かれ、小さなモフモフが全員転移したのを見届けた私は、魔法陣の上に足を踏み入れた。

瞬間、光に包まれた私は、モフィーニアの城の庭に立っていた。

「さあ、皆、怪我はないですか? あれば治しますので、見せてください」

数匹がトコトコと私の方にやってくる。いずれも、擦り傷程度の怪我だった。

誘拐されたときに暴れてできた傷かもしれない。
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