追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
魔王の執務室まで同行し、興奮気味のシリルを椅子に座らせる。

「シリル、私を行かせてくれてありがとうございます。おかげで、一番被害が少ない形で魔族たちを救出できました」

「そうだけどさ。あーっ、なんか、むしゃくしゃする!」

こういうところは、全く魔王らしくない。少年時代のままだ。

「エマ、ちょっと……」

シリルは魔法で氷を出し、持っていた大きめのハンカチで包む。

「頬、冷やしておいた方がいいよ。こっち来て……」

大人しく彼に近づくと、ひんやりしたものが頬に触れる。

「僕も治癒が使えたらいいのに」

「私はシリルのように、たくさんの魔法を使いこなせるようになりたいですよ」

「お互いに、ないものねだりだね。あ、でも、エマは練習すればもっと魔法が上手になれるよ。教えていて気づいたんだけど、割と才能あると思うんだよね。できない人は、何度やってもできないから」

「そうなら嬉しいです」

できることが増えれば、守れる相手も増える。

それに、料理にも応用できるかもしれない。
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