追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「シリル、お腹が空いたでしょう。何か軽く作りましょうか?」

尋ねると、彼の両手がにょきっと伸びてきて私を膝の上に座らせた。

「今はいい。こうして、エマの無事を噛みしめたいんだ」

「困った魔王様ですね」

言いつつ、シリルの好きにしてもらう。ピクピクと動くモフモフの狐耳の前では、どうしても相手に甘くなってしまうので。

「エマ、もう少しここにいて?」

「いいですよ」

「一緒に食事したい。疲れているだろうから、今日のご飯は料理長にお願いしよう?」

「わかりました」

「今日は一緒に眠りたいな」

「仕方がないですね」

「婚約したい」

「は、い……って、却下! 危ない、危ない。うっかり頷いてしまうところだったじゃないですか!」

「頷いてくれて良かったのに、残念」

全く悪びれていない顔をして、シリルはエマを抱きしめ続ける。
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