追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
私の話を聞いた二人は、唖然とした表情を浮かべている。

「嘘だろ? キーランの人間共は馬鹿じゃないのか。待ち望んだ聖女に気がつかないなんて、酷い話にも程がある。鑑定ができないにしても、色々杜撰すぎるだろう」

魔王の言葉に、少年も深く頷く。

「本当だね。自分から切り札の聖女を追い出すなんて、どうかしているよ」

「でもまあ、ある意味それで良かったのかもしれないな……異世界人の多くは、王宮の歓待ぶりに浮かれ、なんでも言うことを聞いてしまう。異世界人に前知識がないのをいいことに、あいつらは呼び出した相手を好き勝手に騙して利用するんだ。おだてて気分の良くなった異世界人に、平気で無茶な要求を突きつけてくる」

「その点で言えば、君の選択は正解だったんだよ。正直に話していれば、今頃うちの城に一人で特攻させられていたかも」

恐ろしい話を耳にして、私は息を呑んだ。

いくらなんでも無茶苦茶すぎる。自殺しろと言っているようなものだ。

「あなた方の話を聞いて、納得がいきました」

鑑定したステータスを見ても、二人の言い分の方が正しいのだと判断できる。

森に捨てられたときは、自分の選択を後悔したが……町人だと偽って良かったのだ。

明らかに自分より強そうな魔王の元に一人で向かうなんてできない。
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