追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「あの、お世話になってもいいでしょうか? なるべく早く自立の道を探したいところですが、この世界のことは何もわからないので」
「もちろんだ。シリル、エマを開いている部屋へ案内してやれ。色々あって、まだ疲れているだろう。あとで、食事を運ばせる」
父親の言葉に頷いたシリルは、エマの手を取って言った。
「こっちだよ、来て。部屋は僕が選んであげる」
「あ、うん……」
シリルに連れられ、私は石の階段を上へ上へと登っていく。部屋があるのは五十階らしい。タワーマンションみたいだ。
足がしんどいんですけど、魔族って全員健脚なのかな?
ゼェハァと息を切らせる私を見かねたのか、シリルが「運んでいい?」と聞いてきた。「運ぶって?」と疑問に思った瞬間、私の体がぐいっと持ち上げられる。
「ひぇっ!」
本日二度目の奇声だけれど、仕方がないと思う。
だって、私は年下のシリルにお姫様抱っこされてしまったのだから。
……儚い美少年の細腕が折れないかが心配だ。
「あの、私、重いので。下ろしてくれません?」
「そう? 魔族と比べるとだいぶ軽いけど」
「えっ……そうなの?」
「それに、抱き心地がいいから放したくない」
シリルは子供らしからぬ艶めいた表情を浮かべる。
「もちろんだ。シリル、エマを開いている部屋へ案内してやれ。色々あって、まだ疲れているだろう。あとで、食事を運ばせる」
父親の言葉に頷いたシリルは、エマの手を取って言った。
「こっちだよ、来て。部屋は僕が選んであげる」
「あ、うん……」
シリルに連れられ、私は石の階段を上へ上へと登っていく。部屋があるのは五十階らしい。タワーマンションみたいだ。
足がしんどいんですけど、魔族って全員健脚なのかな?
ゼェハァと息を切らせる私を見かねたのか、シリルが「運んでいい?」と聞いてきた。「運ぶって?」と疑問に思った瞬間、私の体がぐいっと持ち上げられる。
「ひぇっ!」
本日二度目の奇声だけれど、仕方がないと思う。
だって、私は年下のシリルにお姫様抱っこされてしまったのだから。
……儚い美少年の細腕が折れないかが心配だ。
「あの、私、重いので。下ろしてくれません?」
「そう? 魔族と比べるとだいぶ軽いけど」
「えっ……そうなの?」
「それに、抱き心地がいいから放したくない」
シリルは子供らしからぬ艶めいた表情を浮かべる。