追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「聖女の結界で、なんとかならない?」

「無茶を言わないでください。第一、使い方がわかりません」

私が尋ねると、シリルは大きく口を開けて押し黙った。

「……本当に、何も教えられていないんだね」

何かを納得したように彼が頷く。

「それじゃあ、ここで暮らすに当たって、知っておいた方がいいことを僕から伝えておいた方がいいかな。スキルの使い方も」

「できれば、お願いしたいです。でも、聖女に塩を送るようなことをして大丈夫なんですか?」

「平気平気、君はキーラン国を嫌っているでしょう? 今さら僕らに攻撃するメリットもないだろうし」

「まあ、そうですけど」

「それじゃあ、これからよろしくね」

差し出された白魚のように美しい手に、私は恐る恐る自分の手を重ねる。

それから、私はシリルにこちらの世界の常識を教えてもらった。

こちらのルールは、日本とは全く違うものばかり。さらに、人間と魔族の間でも文化が異なるようだ。

ますはキーランだけれど、王政の国で、近隣の国の資源を奪って成り立っている小国だという。元盗賊国家だったと聞いても、妙に信憑性があって納得してしまうな。

最近は異世界召喚ばかりを行っていて、異世界人頼みの強引な侵略が目に余る状態だったみたい。
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