追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
王太子の部屋に押しかけると、彼は笑顔でスミレを出迎えた。
これは、やっぱり脈ありよね……と、心の中でにんまり笑う。
実際、スミレと王太子は気軽に話せる仲になっていた。
「スミレ、ちょうど君に話したいことがあったんだ」
「あら、何かしら?」
「君の遠征の日程が決まった」
「え、遠征? なんなの、それは」
「遠征は遠征だよ。魔王城に攻め込む日程」
王太子は、なんともないように話すけれど、スミレは嫌な予感に包まれた。
「ま、待って、魔王城に攻め込むって……?」
「最初に言っただろう? 我々をお救いくださいと。それが、聖女の役目だ。準備が整ったので、魔族共の国へ攻め入るんだ」
「あ、ああ、そうなの……私は、兵士の皆さんを元気づければいいのよね?」
聖女なんて、ただの象徴。周囲を鼓舞する、アイドル的な役割のはずだ。
だって、ただの女子高生を戦場で戦わせたりしないでしょ?
不安を覚えるスミレに気づかない王太子は、淡々とこれからの予定を話している。
「元気づけるというのは、治癒スキルのことか? それはもちろんそうだが、スミレ自身にも前に出て戦ってもらわないと。聖女なんだし、結界は使えるよな?」
「へ……?」
どういう意味?
スミレの頭に、追放された地味女の言葉が蘇った。
『――聖女になったら、危ない仕事を強要されるかもしれない』
本当に、そのとおりだった。
ああ、どうして自分は、「聖女だ」などと皆に嘘をついてしまったのだろう。
後悔しても、もう遅い。今さら町人だったなんて言えない。
だって、それを話してしまったら……スミレも、あの地味女みたいに追放されるかもしれない。
これは、やっぱり脈ありよね……と、心の中でにんまり笑う。
実際、スミレと王太子は気軽に話せる仲になっていた。
「スミレ、ちょうど君に話したいことがあったんだ」
「あら、何かしら?」
「君の遠征の日程が決まった」
「え、遠征? なんなの、それは」
「遠征は遠征だよ。魔王城に攻め込む日程」
王太子は、なんともないように話すけれど、スミレは嫌な予感に包まれた。
「ま、待って、魔王城に攻め込むって……?」
「最初に言っただろう? 我々をお救いくださいと。それが、聖女の役目だ。準備が整ったので、魔族共の国へ攻め入るんだ」
「あ、ああ、そうなの……私は、兵士の皆さんを元気づければいいのよね?」
聖女なんて、ただの象徴。周囲を鼓舞する、アイドル的な役割のはずだ。
だって、ただの女子高生を戦場で戦わせたりしないでしょ?
不安を覚えるスミレに気づかない王太子は、淡々とこれからの予定を話している。
「元気づけるというのは、治癒スキルのことか? それはもちろんそうだが、スミレ自身にも前に出て戦ってもらわないと。聖女なんだし、結界は使えるよな?」
「へ……?」
どういう意味?
スミレの頭に、追放された地味女の言葉が蘇った。
『――聖女になったら、危ない仕事を強要されるかもしれない』
本当に、そのとおりだった。
ああ、どうして自分は、「聖女だ」などと皆に嘘をついてしまったのだろう。
後悔しても、もう遅い。今さら町人だったなんて言えない。
だって、それを話してしまったら……スミレも、あの地味女みたいに追放されるかもしれない。