追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「ひっ……!」
思わず悲鳴を上げそうになるのを、必死でこらえる。
「スミレ、駄目じゃないか。一人で外に出たりしては危険だ」
「大丈夫よ、ただの散歩ですもの」
気づかれるわけにはいかない、足を一歩一歩動かし、後ろ向きに庭へ近づいていく。
けれど、王太子が動く方が早かった。
「衛兵、スミレを部屋まで送り届けろ」
「ちょっと、私は散歩がしたいのよ! 勝手に部屋に連れ戻さないでくれる?」
「なら、後日、一緒に庭へ出よう」
「そうじゃなくて!」
日記のこともあり、王太子のことも疑ってしまう。彼は、キーランの聖女はスミレだけだと言った。たしかに、今はそうだ。
しかし、過去には別の聖女、そして勇者も存在していた。彼らの前にも、誰かが呼ばれていたのかもしれない。
――でも、今はいない。全員、いなくなってしまった。
王太子は嘘は言っていないけれど、本当のことも言っていない。この城の人たちは、何もスミレに教えてくれない。
彼らに対する信頼が、ぐらりと揺らいだ。
思わず悲鳴を上げそうになるのを、必死でこらえる。
「スミレ、駄目じゃないか。一人で外に出たりしては危険だ」
「大丈夫よ、ただの散歩ですもの」
気づかれるわけにはいかない、足を一歩一歩動かし、後ろ向きに庭へ近づいていく。
けれど、王太子が動く方が早かった。
「衛兵、スミレを部屋まで送り届けろ」
「ちょっと、私は散歩がしたいのよ! 勝手に部屋に連れ戻さないでくれる?」
「なら、後日、一緒に庭へ出よう」
「そうじゃなくて!」
日記のこともあり、王太子のことも疑ってしまう。彼は、キーランの聖女はスミレだけだと言った。たしかに、今はそうだ。
しかし、過去には別の聖女、そして勇者も存在していた。彼らの前にも、誰かが呼ばれていたのかもしれない。
――でも、今はいない。全員、いなくなってしまった。
王太子は嘘は言っていないけれど、本当のことも言っていない。この城の人たちは、何もスミレに教えてくれない。
彼らに対する信頼が、ぐらりと揺らいだ。