追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「ねえ、フィリポ殿下。私の前に召喚された聖女って、どうなったの?」
スミレが以前の召喚を知っていたのが意外だったのだろう。王太子は目に見えてうろたえ始めた。
「一体、誰から話を聞いたんだ?」
「誰からも聞いていないわよ? 強いて言えば、以前の聖女本人から……かしら? ねえ、その子はどうなったの? 半年前のことなら、覚えているわよね?」
「なぜ、時期まで。聖女のスキルか? 希に、特殊なスキルを持つ異世界人がいるらしいが」
「そんなのじゃないわ。だって、私は聖女じゃないし!」
スミレは、ついに真実を口にした。
言おうか迷ったけれど、聖女として魔族と戦わされるなんて冗談ではない。
それなら、追放の方がマシだ。生き延びられる可能性が高いもの。
あの地味女だって、他国で暮らしているはずだ。自分だけ、逃げおおせやがって!
「スミレ、悪い冗談は止めるんだ」
「冗談なんかじゃない。私は『町人』なのよ!」
「わざわざ高度な聖女用の召喚を行ったんだ。追放された女は巻き込まれただけのようだが、必ず片方は聖女のはずだ」
「そんな。だって、私、本当に町人なのに。まさか……」
脳裏をよぎったのは、地味女の姿だ。彼女はやたらとキーラン国を警戒していた。
――あいつが、本物の聖女!? 嘘をついて、逃げたの?
どうやったかわからないけれど、地味女はキーラン国の危険性を見抜いて、職業を偽ったのだ。
スミレが以前の召喚を知っていたのが意外だったのだろう。王太子は目に見えてうろたえ始めた。
「一体、誰から話を聞いたんだ?」
「誰からも聞いていないわよ? 強いて言えば、以前の聖女本人から……かしら? ねえ、その子はどうなったの? 半年前のことなら、覚えているわよね?」
「なぜ、時期まで。聖女のスキルか? 希に、特殊なスキルを持つ異世界人がいるらしいが」
「そんなのじゃないわ。だって、私は聖女じゃないし!」
スミレは、ついに真実を口にした。
言おうか迷ったけれど、聖女として魔族と戦わされるなんて冗談ではない。
それなら、追放の方がマシだ。生き延びられる可能性が高いもの。
あの地味女だって、他国で暮らしているはずだ。自分だけ、逃げおおせやがって!
「スミレ、悪い冗談は止めるんだ」
「冗談なんかじゃない。私は『町人』なのよ!」
「わざわざ高度な聖女用の召喚を行ったんだ。追放された女は巻き込まれただけのようだが、必ず片方は聖女のはずだ」
「そんな。だって、私、本当に町人なのに。まさか……」
脳裏をよぎったのは、地味女の姿だ。彼女はやたらとキーラン国を警戒していた。
――あいつが、本物の聖女!? 嘘をついて、逃げたの?
どうやったかわからないけれど、地味女はキーラン国の危険性を見抜いて、職業を偽ったのだ。