追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
強引なシリルに連れられて、私は料理長のいる調理場へ向かった。

料理長らは、王族や城内のお偉いさん方の食事を担当しているのだとか。

会いに行くと、彼らは気前よく食材を分けてくれた。いい人たちだ。

けれど、やっぱり階段の上り下りが大変で、またしても食材ごとシリルに運ばれる羽目になってしまった。

……近いうちに、絶対に克服してみせる。

「朝食は食べてしまったので、お菓子を作りますね。食料が前世とほぼ共通だったので助かりました」

とはいえ、微妙な違いはあるかもしれない。まずはシンプルなお菓子から。

クッキーやケーキは、この国にもあるらしいので、今回は少し変わり種を作るつもりだ。

「生キャラメルを作りますね」

「えっ? キャラメル? 生って?」

普通のキャラメルはモフィーニアにもあるらしいけれど、生キャラメルはない。

未知の食べ物に、シリルは興味津々だ。

「まあ、見ていてください」

材料は、牛乳、砂糖、蜂蜜、バターだ。

作り方は簡単。全ての材料をお鍋に入れて混ぜ、ドロドロになったものを冷蔵庫で固めればオーケー。生クリームを使うレシピもあるけれど、今回は材料が限られているので……

「冷やすのに少し時間がかかるのですが」

「そうなの? じゃあ、少ししたらまた来るね!」
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