追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
こうして、あれよあれよという間に食堂が開店。

店の名前は、そのまま、「聖女食堂」だ。魔族はわかりやすい表現を好むらしく、ひねりのない名前になってしまった。

広さは、一人で回せるように小さめだ。淡いミントグリーンの壁に、白いペンキを塗った木のカウンター席が八つほど。

食堂と言うより、カフェのようで、こぢんまりとした、居心地の良さそうな内装だ。

とはいえ、開店初日から店が繁盛しているわけではない。

……現に今も、お店にはお客さんが一人もいなかった。

店は魔王城一階の入り口付近にあるけれど、私が聖女だから警戒されているようだ。

――邪険にはされないけれど、怖がられているみたい。

魔族は皆目が赤いので、黒い目の私はどうしても悪目立ちしてしまう。

あれこれ考えた末、私はとりあえず料理を作ることにした。

「こういうときは、おいしそうな匂いで勝負しましょう」

すでに下処理を終えたの食材を順番に調理していく。

本日のメインメニューは、トマトパスタとペペロンチーノ。

パスタが共通の食材だったのと、材料が揃えやすかったので作ってみた。

他には、唐揚げやサラダを添えている。テイクアウトできるように、ふわふわの焼きたてパンも置いてみた。
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