追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
私にも、なんとなく状況がわかった。

おそらく、日本の学校で教室にいる生徒たちが、一クラス丸々召喚されるという意味だろう。

一人でも厄介な異世界人が、大量に召喚されたら大変なことになる。

――私、考え方が完全に魔族側に染まっているわね。

でも、モフィーニアの人々が犠牲になるのはいやなのだ。魔王城で会う人たちは、話してみると皆親切だし、小さなモフモフも可愛い。

ここ数年で、この国の魔族は大きく数を減らしているという。

魔族の多くは下級魔族で、中級や上級魔族になるほど数が少なくなる。

そして、度重なる争いで、特に上級魔族の数が激減していた。

私が協力を始めてからは、聖女のスキルで治癒が可能になったが、駆けつけたときに亡くなっていた場合はどうにもならない。死者を蘇生するスキルは持っていないのだ。

不安に思っていると、アルフィが報告を続けた。

「また、キーランと同盟を結んだ別の人間の国が、勇者と聖女の同時召喚に成功した模様。国同士で協力し、モフィーニア攻め込む姿勢を見せております」

フレディオの顔が一気に険しくなる。

「エマ、現在、どれくらいまでの大きさの結界なら張れる?」

「数個の街を囲む程度です。限界まで力を使えば十個ほど」

協力を始めた当初に比べれば、スキルの威力は上がっていた。それでも、魔族全員を救うには足りない。
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