追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
一ヶ月後、大罪人エマ・ゴールトンの処刑が決行された。奇しくも、この日は私の十七歳の誕生日だ。

天気は私を皮肉るような快晴で、毒々しい真っ青な空が続いている。

役人に読み上げられる罪状は、なぜか三倍に増えていた。キーランには後ろ暗いことをしている貴族がたくさんいるから、他の者の罪も一緒に被せられたのだろう。

背後には斧を構えた屈強な処刑人が二人、対となって綺麗に並んでおり、前には処刑を見ようと集まった物好きな観衆たちが大勢いた。

国の総意は、「異世界人の血を引く者は全員殺さない」と、なっている。

少なくとも、あの屋敷で私は、この年齢になるまで生かされていた。

けれど、王子に毒を盛った者を罰しないわけにはいかない。異世界人云々より、処罰の方が優先される。

フィリペたちは、それを承知で私の罪をでっち上げたのだ。

嘘の罪だとしても、ここまで広まってしまったものは収拾できない。えん罪と言うことが知れ渡れば、王家の醜聞となってしまう。

だからこそ処刑を行い、私の口を封じて全てを解決しようとしている。

拘束された私は、恨めしげに王族たちが座る席を睨んだ。

「家族にも婚約者にも、私は殺したいほど憎まれ、恨まれていたのね」

処刑を止めてくれと訴えてくれる人物は、一人もいなかった。

それどころか、「やっぱり呪われた目の持ち主だ」などと、私が消えることを望む者ばかり。辛いし悔しいしやるせない、私が一体何をしたというのか。
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