追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「シリル様? どうされたのです?」

声をかけてきたのは、同じく執務中のアルフィだった。

彼は父やエマが亡くなってからも側近としてシリルを一番近くで支え、慣れない魔王業務を手伝ってくれた。

おかげで、なんとかモフィーニアを維持できている。

シリルは賢魔王と言われているけれど、それは自分の治世に大きな事件が起こっていないからだ。今の自分は父に大きく及ばないと知っていた。

「アルフィ、ちょっと出かけてもいいか?」

「ええ、構いません。シリル様は、ずっと働きづめですからね。気分転換を提案しようと思っていたところです」

「すまない、城の外へ出てくる」

「お強いあなたのことですから大丈夫とは思いますが、お気をつけていってらっしゃいませ」

あの気配が誰のものなのかを確認したい。

頭にあるのはそのことばかりだ。

階下に降りる手間が惜しくて、シリルは風魔法を使って窓から外へ飛び出した。

目指すは、エマの気配のあったキーラン国。
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