私の罪
私が、「あ、ありがとう」と答えると「なんか、エロい」と言われた。

「え〜なんで!?シャツのボタンだって一番上までしめてるのに!」と答えると「う〜ん、なんか分からないけどエロい」とだけ言われた。

私は、花柄のシャツに紺色のワンピースを着ていた。

もしかしたら、この紺色のワンピースの前側がガバッと開いているので胸のあたりが強調されるから、それで言ってるのかなと思った。

一瞬、歩いているときに彼の指が私の指に触れた。

多分、当たってしまったのかなと思った。人混みも多いことだし。

そして、私達は渋谷にあるカラオケ店にやってきた。

やっぱり、彼の歌う歌はほとんど知らないものばかりだった。

けど、歌はうまいし、どれも良い歌ばかりなので普通に楽しめた。

私が気を遣ってアイドルの歌とかを歌うと彼は喜んでくれた。

「今度は大塚愛にでもしようかなぁ〜」とタッチパネルを操作していると、いきなり、りょうから提案してきた。

「なんか、大人っぽい歌とか歌わないの?」

「へ?」

「なんか、セクシーな歌とか!さくらのセクシーな歌声聴きたい!」

「あ〜いや・・・」

普通に考えたら嬉しい注文ではあったが、なんか別の意図が隠されてる気して、戸惑ってしまった。

どうしようか一瞬迷ったけどまぁ良いかと思い、「倖田來未だったら・・・あるよ」と答えた。

「え!?マジで聴きたい!」

だけど、中学生の前で歌うにはかなり刺激的だよなぁと思いつつも、まぁ、所詮歌だしと思い、私
は倖田來未の「SHAKE IT」を選曲した。

歌いながら、「あーやっぱり歌詞がエロい・・・」と思い、恥ずかしくなってしまった。

彼は、「うわ!マジやば!エロ!」と喜んでいるようだった。

アァ、恥ずかしい、もうやめたいと思いながらも最後まで歌い切ってしまった。

「すごい良かったよ!マジ、さくらエロかった!」
< 14 / 45 >

この作品をシェア

pagetop