私の罪
「それはありがとう」とあまり有り難くなさそうに私は答えた。

だけど、この歌を皮切りにりょうが少しずつおかしくなっていった。

「う〜んと次は何を歌おうかなぁ〜」と迷っていると「ねぇ」と声をかけられたかと思ったら急に
りょうが私の隣に座ってきた。

「うわぁ!何!」

突然、彼との距離が縮まり、私はドギマギとしてしまった。

そしたら、次の瞬間、彼が甘えたように「ねぇ、ギュってしていい?」と聞いてきた。

私は、冷静を装い、間髪入れずに「ダメだよ!」と言って、視線をまたタッチパネルに移した。

彼は、黙り込んだようだった。

私は、気にせずモニターに視線を向けた。

けど、せっかくだし・・・と思うと、私は彼の方を向いた。

「あ、じゃぁさ、お互いの知ってる曲を一緒に歌わない?」

「え?」

「なんか知ってる曲ない?一緒に歌おうよ」と私は提案してみた。

結構、良い案だと思ったけど「さくらの知ってる曲なんて知らないよ」と不機嫌そうに彼が答えた。

「あ、じゃぁ、りょうが知ってる曲を歌うから、なんかない?」そう聞くも「別にそんなことしなくていいよ」と一蹴されてしまった。

私はどうしようと思い、またタッチパネルに視線を落とした。

すると痺れを切らした彼が突然私にハグしてきた。

「ギューーー!」

「わあああああ!!」

私は声にならない声をあげた。

「だ、ダメだって言ったじゃん!」

私は慌てて彼の腕の中から逃れようと試みるもガッチリ掴まれてしまっているため解けない。

「さくらの体、気持ちい〜」

「ちょっと、りょう!まずいって!」
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