獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
「まず、私の帝位継続を支持し、今ここに集うすべての国民に心からの感謝を伝えたい。見ての通り、私はヴィットティール帝国の皇統六千年の歴史において、はじめて虎耳を持たない。古来よりの言い伝えを知る者の中には、国力低下を懸念する者もあるかもしれん。しかし、虎耳の欠落は、決して皇帝としての力量不足とイコールではない」
 マクシミリアン様からの謝意に、国民は盛大な拍手で応える。
「私はヴィットティール帝国の繁栄と平和の実現に心血を注ごう。そして、そのためにあらゆる改革を厭わない。既に周知のことと思うが、此度の内紛において、私の排斥を望んで声をあげた高官の幾人かに重大な不正が発覚した。皇太后の他、地方創生大臣を筆頭に主要な三名の大臣も政権を去ることとなったが、新大臣は広く国民から募り公正な審査を経て選出する予定でいる」
 マクシミリアン様の言葉に、ざわめきが広がる。
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