声と性癖
「首から肩、すごく華奢で滑らかだ。肌、真っ白ですね。知らないでしょう?結衣さん、あなた背中もすごく肌がきめ細かくて綺麗なんですよ。背中から腰のライン、すごくそそられる。腰からヒップ……誘っているみたいだ。」

ひとつひとつ、場所を口にしながら手の平で、指で唇で辿っていく。
「ほら、腰上げて?下着、脱ぎましょうね。」
そうしたら、前も胸も触ってあげる。

「あなたの甘い声、聞けないのは残念だけど、肌が上気しているし、耳が赤い……。感じていますよね。」

返事はしなくていいですよ?
後ろからおおい被さるようにして、涼真が片手で胸を片手で狭間を触る。

唇は背中に幾度となくキスを落とされて、身体がぴくんと揺れてしまう結衣だ。
「僕のこと見えないですよね。どこ触られるか分からないって、どうなんですか?声も出しちゃだめですよ?楓真に聞こえたらいやでしょう?」

背中を舐めていた涼真が、結衣の腰を抱え込む。
「結衣さん、静かに……ね?」

突然、強い圧力で後ろから涼真が入ってきて、待って無理!と言いたいけれど、枕に顔を伏せている結衣は何も言えず、シーツをぎゅっと掴んだ。

「んんっ……」
「根元まで、入りましたよ。」
は、ぁっ……と熱いため息が耳を掠める。
< 214 / 270 >

この作品をシェア

pagetop