ずっと気づかなかっただけ。

「はぁ…まぁいいんだけどさぁ」

チカくんにいうと、

チカくん中学の時すごい顔で犯行グループの女子に冷たく暴言吐いて去っていって、

怖かったし、

そのあとしばらく過保護で負担かけちゃったからあんまりバレたくない。

でもだからってチカくんとの距離感を変えたくないし…

バレないように頑張ろう。

よし、見つけたし戻ろう。

スリッパを入れていた袋に、

上履きをしまって、

歩き出す。

「あ。」

顔を上げて一歩踏み出したら、

目の前にクマさん。

クマさんの視線は上履きの入った袋を捉えていて、

しまった…と思う。

「おはようございます!休憩中ですか?」

まだ運動着姿のクマさん。

弓道部でも、うちの学校、朝練は袴を着ないってチカくんが言ってた。

返事もなく、

クマさんの視線は、上履きの入った袋とわたしの履いたスリッパ。

に、逃げよう。

「お疲れ様です、頑張ってください!」

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