ずっと気づかなかっただけ。
「中学の話、千景と夏海から聞いてたから、どうせ千景にバレるだろうし、後になるより早く言っておいた方が千景の怒りが少しで済むかなって考えたんだが…お節介だった。ああなると思わなかった、悪い。」

どう言うこと?

もしかして、クマさんなりに考えてくれたの?

「…いえ、すみません。誤解してたというかなんというか、クマさんへの印象が二転三転してて未だにどのクマさんが本物のクマさんかわかりませんが…」

だらだらと答えて、

窺うような視線を送ると、

クマさんは、

はぁーっとなが〜いため息をして、

「千景も物好きだよな。」

といってくる。

「…どう言う意味ですか。」

「…子供すぎて俺には面倒見切れない。」

誰が、なんて言わなくてもこの状況では私しかいなくて。

「私だってよくわからないクマさんに言われたくないですっ!」

ふんっと横を向く。

あ、でもこの人謝りに来てくれたんだっけ。

それに私のこと考えて嘘言ったんだっけ。

「クマさん、ありがとうございます。」

急にまた態度を変えた私に苦笑いしつつも、

クマさんが上履きを返してくれる。
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