ずっと気づかなかっただけ。
むっ、チカくん本当に私に会わないつもりなんだなぁ。

投げつけたのは腹がたったからでもあるけど、

これをチカくんが返しに来てくれるかなって、

あとを追ってきてくれるかなって思ったから。

…しょげる。

面倒な女だ。

「チカくん怒ってましたか?おたんこなすって言ってたの。」

「あー、あれは笑った。怒ってない、返しといてって頼まれた。」

やっぱり頼まれたんだ…

もう会ってくれないのかな。

いいって言うまでって、いつまで?

もうチカくんに会いたいのに。

はぁ、と小さくため息をつくと、

クマさんが私の机の上に、

飴玉をおいて離れて行く。

手に取ると、はちみつ味で、笑ってしまう。

「さすがクマさんっ」

「うるせ。夏海達にもはなしとけよ。」

「はーい」

再び静かな教室。

目を瞑ると昔の思い出が浮かんでくる。

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