ハロウィンの奇蹟
 そして私の隣でなくお爺さんの隣に立つ幸子さんも同じだけの幸せを私に見せてくれる。


「ありがとうございます。探してたもの…大切な人に会えました」


 その言葉に私は笑顔で小さく頷いて答えた。

 だって私が幸子さんを見れるって分かったらお爺さんが混乱しそうだし。


「じゃあお気をつけて。途中まで送りましょうか?」

「いや大丈夫じゃよ、すぐそこじゃしな」


 私はお爺さんの優しい人柄が心地良くて見送りを買って出たけども丁寧に辞退された。


 あ、もう一人じゃないもんね。お邪魔しちゃ悪いか。


 そう心の中でツッコミを入れて去り行く2人の背中を見守る。

 まだ少しだけ明るい西の方へと二人並んで歩くその姿は若い女性と老年の男性の後姿だけどなんだかとてもお似合いのカップルに見えた。
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