警戒心MAXだったのに、御曹司の溺甘愛に陥落しました

「私……役に立ちました?」
「さっきも言ったろ? 思った以上にでかい戦力だったよ」

それなら、もっと……。

「褒めて下さい」
「……蜂谷?」

おかしなことを言ってる自覚はあるのに。

一歩ずつ近づいて、天野さんの目の前に立つ。

さっき初めて褒めてくれた時の優しげな顔。あの顔をもう一度向けて欲しい。

指の間の煙草を奪って火を消すと、驚いた天野さんが煙草から私に視線を移す。

二十センチ以上差のある高い位置にある目をじっと見つめた。

「もっと、褒めて下さ……っん!」

首の後ろを掬いあげられるように掴まれて。

重ねた唇は煙草の匂いがした。



* * *

「2次会行く人ー」

常務会に向けてプレゼンをしたのが月曜日。

自信満々の天野さんが言っていたように木曜日には承認が降り、金曜日の今日はそれを祝した祝賀会が開かれていた。


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