【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 「聖良、正直に言ってくれ。……お前は俺に、一体何を隠しているんだ?」

 棗さんがわたしを見つめながら言ったその言葉に、わたしは口を開くことができなくなってしまった。……体が震えてしまって、何も言えない。

 「……聖良、頼む。何か悩んでいるなら、遠慮なく言ってくれ。俺たぢ夫婦゙だろ?」

 ゙夫婦゙その言葉が一番心の中に突き刺さる。そうだ、わたしたちは夫婦だ。だからこそ、妊娠していることを隠すなんて本来ならおかしいことだ。

 夫婦にとって赤ちゃんが生まれるということは、奇跡であり、大切な存在だ。大切な家族の一人として、この世に生まれてくるんだ。それは一番喜ばしいことだと思う。
 
 「……棗さん、わたし……」

 伝えるなら、今しかないと思った。こうやって震えてとして見ていくのなら、隠し事はお互いになしにするのが一番だ。ウソや偽りだらけの結婚生活なんてもう終わりにしたい……。

 「……聖良、大丈夫だ。ゆっくりでいい」





 
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