【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 そして次の日の12時半。わたしたちは鷺ノ宮グループが経営している、とあるホテルのラウンジにいた。ここで棗さんのお母さんと会う約束をしている。時間が近づくにつれて緊張で顔が強ばりそうだった。うまく話せるのかどうかも分からない。

 「……来たぞ、聖良」

 「は、はいっ……」
 
 棗さんが見る視線の先には、とある一人の女性が歩いていた。……あの人が、棗さんのお母さん。スラッしていて、スタイルが良い。棗さんのスタイルの良さは、お母さんに似たのかもしれないな。そして棗さんのお母さんは、わたしたちに気づいて声をかけてきた。

 「棗、お待たせ。待たせてごめんなさいね?」

 「いや。大丈夫だ。俺たちも今来た所だから」

 「あなたが棗の……。聖良さん、でしたっけ?」

 「はい。初めまして。棗さんの妻の、聖良と申します。……よろしくお願い致します。お母様」

 「こちらこそ。体調が悪い中、時間作ってもらって、ありがとう」

 「いえ。こちらこそ、お会いできて光栄です」


 
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