【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 「……えっ。えっ、えっ!?ええっ!?」

 け、け、結婚……!?な、な、なんで結婚……!?

 「お前、驚きすぎじゃないか?」

 「い、いや、だって!いきなり結婚なんて言うから……!!」
 
 待って待って!そもそもわたし、この人のこと知らないんだけど……!

 ……えっ、わたしってもしかして。知らない相手にプロポーズされたってこと?

 な、何それ……!意味が分からない!

 「お前は俺のことを知らないかもしれないけど。俺はお前のことを知っていた」

 「えっ」

 そんな発言をされたら、ますます混乱するに決まってる。なんで突然、そんなことを言われるのかすら、わたしには分からないのだから。

 「……お前。いや、波音聖良さん」

 「は、はい」

 「俺と結婚してほしい。俺の嫁として、鷺ノ宮グループに来てほしい」

 えっ、待って。今なんて言ったの?今聴き間違いでなければ。鷺ノ宮グループと聞こえたような気がしたんだけど……。
 

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