【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜



 「お待たせ、聖良」

 「はい。大丈夫です」

 「いつも花に水あげてくれて、ありがとうな。おかげでキレイに咲いてるよ」

 棗さんはそう言いながら優しい笑みを浮かべていた。そして花を眺めながら「それが終わったら、出掛けようか」と言った。

 花に水をやり、上着とカバンを持ち、わたしたちは初めての遊園地デートへと向かった。








 「聖良、着いたぞ?」

 「はい」
 
 目的地の遊園地に着いたはいいけど、車から降りてから、何かがおかしいことに気付いた。
 そう、車が棗さんの車の一台だけしか止まっていないのだ。そしていつも賑わっているはずの遊園地の園内にも。誰一人スタッフ以外の人がいないのだ。

 一体これはどういうことなのだろうか……?
 どうしてわたしたち以外、誰もいないのだろうか……。

 わたしの手を握りながら入口まで歩いていく棗さん。そしてその入口で、わたしのその疑問の答えはすぐに明らかになった。



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