偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─

祖母は医療費を削るためか、周囲に体の不調を訴えながらもまともに医者に通っていなかったらしい。

祖母を過労で死なせたと祖父は後ろ指をさされ、同じく俺も自分で借りた学費の出どころを祖母の財布だろうと疑われ、親戚たちから非難を受けた。

残された俺と祖父だけの生活は、当然うまくいかなかった。
再び弱っていった祖父は、癌を患い、長い入院生活で心も病んでいった。

『これもすべて、金森のせいだ』

病床で、祖父はよくそうつぶやくようになった。

『金森って?』

『金森製菓だ。あそこの社長が、ハナからすべてを奪ったんだ。看板商品の〝はなごころ〟は、ハナが考えた菓子だったのに』

『……どういうこと?』

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