偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─
床に視線をやりながら、俺は唇を噛み締めて怒りに震えていた。
金森善次。この男、許せない。
金森製菓とは大人しくビジネスをするつもりだったが、予定変更だ。なにもかも、すべて奪い返してやる。
この男が大切にしているものを奪い、傷つけ、絶望に陥れる。祖母の無念を晴らしてやる。
それからしばらくして、俺は凪紗と出会った。
凪紗があの男の一番大切にしているものだと知り、この子を立ち直れなくなるほどに傷つけ、裏切り、そして人質として『はなごころ』を奪い返す。
俺は恋人を演じながら、この計画を実行できるときを、ずっと待っていた。