偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─
「普段から俺に凪紗の様子を見てろっておじい様がうるさいから仕込んでおいたんだよ。まさか役に立つ日が来るとはな」
「ひどい! 私にそんなものを持ち歩かせていたなんて」
「こっちだって好きでやってるわけじゃない。……って、今はそんなことはいい。GPSで建物は特定できたが、どの部屋にいるかまではわからない。部屋番号を教えてくれ」
私は眉根を寄せて固まった。それを見て、アキトくんは怪訝そうに首をかしげる。
「ほら、はやく教えろって」
「……ど、どうして?」
「助けてやるからに決まってんだろ」
助けてやる……って、どういうことなんだろう。冬哉さんを残して、私をここから連れ出すということ?