偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─

だいたい予想通りだった本村の心の内を話され、首をかしげた。

「……で?」

「で。惚れさせて人質にするって計画で凪紗さんと付き合い始めた冬哉を見て、ワクワクしたよ。天然の箱入り娘が、これから騙されて痛いめ見るんだなぁって。それも社会勉強だろって、楽しんでた。……でもさ、だんだん、お似合いなんじゃないかって思うようになってきて」

「は?」

「凪紗さんは、俺が可哀想だなって思うくらいには、いい子だよ。だから、妊娠までさせて捨てようとしているのはちょっとショックだった」

思いきり大きなため息を吐き出し、チェアーの背もたれに身を打ち付けた。
なんでお前までそんなことを言いだすんだよ。情に揺れない本村だから、すべて話したのに。
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