偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─

「美佐子!! おい!! どういうことだね達馬くん!!」

ついにおじい様が立ち上がり、父がヒイッと肩をすくめる。
これは私も納得がいかない。おじい様の教えだから、と言いつけていたくせに、お母さんたちは破っていたなんて。なんだか私だけバカみたいじゃない?

……いや、それも今は置いておこう。問題は、おじい様が冬哉さんを認めないことだ。

言い合いをする三人の隙をつき、私は立っていた冬哉さんのそばへぴたりと付いた。彼の腕に身を絡め、おじい様をじろりと睨む。

「こら! 凪紗! その男から離れなさい!」

「嫌です! おじい様の言うことなんてもう聞きません!」

私の怒鳴り声に、おじい様は怯む。

冬哉さんは私に「俺は大丈夫だよ」と小声でささやくが、冬哉さんがよくても、もう私は我慢ならない。

お父さんとお母さんが掟を守ってこなかったのなら、私は誰にも遠慮する必要はない。
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