偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─
◇ ◇ ◇
シャワーを終えてから三十分ほど体を休ませていると、なんとか震えが治まった。
冬哉さんはすでに行為前に戻ったのかというくらいに着衣が整っており、ジャケットとネクタイ以外はきちんと身に付けてベットサイドに腰かけている。
私は下着の上に備え付けのバスローブ姿のまま、ベットに横になっていた。
「……すごい。まだ信じられません」
熱い頬を手で包み、桃色のため息をつく。
「ごめん。凪紗がかわいくて、俺も余裕がなかった」
手を伸ばして髪に触れられ、この指に何度も鳴かされたのだと思い出し、体の奥がツンと痺れた。
初体験は、ずいぶん予想と違った。
薔薇に包まれるように幻想的で、雲の上にいるように夢見心地なのかと思っていたら実際は、言うことを聞かない体を絡めとられ、侵略され、冬哉さんでいっぱいにされた気分。
すごくよかった。ずっとこうされたかった。生半可な行為ではなくて、冬哉さんのすべてを刻み込んでほしかったから。