偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─
計画って、なに? と疑問が頭に渦巻くが、私は言葉を挟む勇気はなかった。しかし、画面越しに冬哉さんとちらりと目が合うと、彼は「そういう計画だっただろ」とわざわざ言及し始める。
「金森製菓から『はなごころ』を奪う。そのためには必要な駒だ」
『人質は凪紗さんだけでも十分だったんじゃないか? そりゃ、子どもを作れば法的な繋がりができるのはわかるけど……』
「時間の制約もできる。対処する時間が短ければ短いほど、向こうは従わざるを得なくなるだろ」
『いやー……まあ、それはわかるけど……妊娠させるって……まるで物扱いじゃねぇか。凪紗さんとはそれなりに長く付き合ってたし、冬哉も情が湧いてるのかなと思ってたんだが』
「ハッ」
冬哉さんの吐き捨てるような声に、ビクリと体が震える。彼はモニターの本村さんに向かって話しているが、その目線は、常に背後の私と合っていた。
「くだらない。俺がなんのために、箱入り娘の恋人を十か月も続けてきたと思ってるんだ」
これは、私に言っているのだ。