政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「でも、イリスさんって以前にも弊社のデザインを模倣していますよね」

 なにを言っているかさっぱりわからず、反応が遅れる。それがよくなかった。

「和泉真白さん、あなたが来てちょうどよかった。あなたの作った広告は弊社の社長が以前携わったものによく似ています。たとえばこちらとか」

 スマホを素早く操作すると、彼は私に向かってとある海外企業の広告を見せた。

 もちろん覚えのあるものだった。短すぎる納期に目を回しながら、なんとか完成させた思い出深い広告だからだ。

 その次に合田さんは別の広告を見せた。同じく虹を想起させる七色を鮮やかに使った華々しいデザイン。言われなくても、私はそれがLa seule fleurの社長が手掛けたものだと知っている。

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