政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 この気持ちは間違いじゃない。私は秋瀬くんが好きだ。

 ピンチを助けてもらったとき。息もできないようなキスをされたとき。弱みを見せたとき。それとも、もっと前から淡い想いを抱いていたのだろうか。自分ではわからない。

「秋瀬くんが結婚相手でよかった。私のお父さんが誰か知ってても態度を変えないで、対等に接してくれるから」

「しろちゃん」

 裾を掴んでいた手を優しくほどかれる。

「酔ってるのはわかったから、そのぐらいにしておきな」

「なんでそんなこと、言うの」

「そろそろ限界だからだよ」

 ほどいた手を、酔って火照った私以上に熱い手が包み込む。

「言わなかったっけか。酔ってるときには手を出さないって」

 だったらどうして、切なげに指を絡めてくるのか。

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