政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 私の方から背伸びをしてキスしたつもりだったのに、後頭部を掴まれて引き寄せられ、唇を塞がれた。

 いつからこの人をこんなにも好きだったのだろう?

 疑問が解ける日は来るのか来ないのか、今はただ、夫婦として無事に未来を紡げることを強く願った。



 父がセッティングした『家族の話し合い』はそれから三日も経たずに行われた。

 我が家からは父と母、そして私。向かい合う秋瀬くん一家は、秋瀬くんとそのご両親だ。これまで雑誌や著書でしか見たことのなかった本物の和泉泰時が目の前にいる。

 立派な料亭の一室ともなると、会社に起きた重大な問題を解決させる場というよりは両家の顔合わせのように見える。

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