政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「本当にお見合いするの? 冗談じゃなくて?」

 そんな私へ、父は諭すように微笑んだ。

「うん。真白の結婚相手が、将来うちを継ぐ人になるんだよ」

 ほんの少しだけ胸がチリッと痛んだ。現代社会はずいぶん女性にとって働きやすい場所になったけれど、まだまだ大きな会社の社長をやらせてくれるほど優しくはない。ましてや、私は小さくて童顔で舐められやすい容姿をしている。どんなに仕事を頑張ろうと、トップに立つのは難しい。

 これで社長になるのが夢だったら、もう少し落ち込んでいただろう。だけど私は今のままで満足している。だから結婚に対して思うところがあっても、切り替えは早かった。

「政略結婚ってやつでしょ。いいよ、約束通り結婚する」

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