政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 あれ以来、家にいても同僚以上の空気にはならず、夫婦らしく求めてはこない。朝食や夕食も会社でランチをしているのと変わらず、リビングで顔を合わせれば企画の件を話すだけ。最初は身構えていた私も、だんだんそんな生活に慣れていった。

 そうして家事を分担しながら、なんとなく順調と呼べる生活を送っていた。

 秋瀬くんはなにを考えているのか。

 私の夫になると決めた理由。ちゃんと夫婦になりたいと言った理由。そして、あんなキスをしておきながら触れてこない理由。

 会社での屈辱のスキンシップはこれまで通りなのに、家に帰ると妙に距離を取られる。話しかければ答えるものの、ソファに座るときは必ず間にひとり分の隙間を取った。

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