政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 どうしてこうなったんだっけ、と考えるまでもなく眠る前の記憶がよみがえる。

 居酒屋で酒を飲み、自分でも意識せずかなり酔ってしまった。秋瀬くんに引っ張られて連れ出され、ベッドに押し倒されて。

「情けない……」

 秋瀬くんへの強い嫉妬心を本人に向かってこぼした挙句、うっかりつらくなって泣いたのを慰められるとは。

 誰にも言うつもりがなかった本心を、どうしてよりによって秋瀬くんに言ってしまったのか。

 だけど秋瀬くんは私をバカにしなかった。抱き締めて、撫でてくれて、私のしてきたことを認めてくれた。私の作ったものを見ていただけでなく、普段どんな思いで仕事をしているのかも見てくれていた。

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