政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 咄嗟に反論してから、ツッコむ場所はそこじゃないと自分で気づく。でも、もう遅い。

「結婚は、本当?」

 好奇心を抑えきれない様子で聞いてきたのは山岸さんだ。

 もうこうなっては誤魔化しきれない。変にうだうだと言い訳するのも不審を煽りそうだった。まず、黙っていろと言った秋瀬くんが言った時点でどうしようもない。

「……本当、だよ」

 えええ、とあちこちで驚きの声が上がる。そうなるのも当然だろう。いつも仕事で競い合っていたダブル和泉が、いつの間にか結婚していたのだから。

「ってわけで、俺のしろちゃんには手ぇ出さないでくれよ」

 にこーっと嫌味なくらい、いい笑顔を作った秋瀬くんが私の腰に回した手へ力を込めた。ぐっと引き寄せられて思わず見上げると、整った顔が近付いてくる。

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