政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 そして、秋瀬くんはみんなの前で私にキスをした。

「なっ……に、考えて……!」

 公衆の面前でのキスに、全身の血が沸騰して顔が熱くなった。

 突き飛ばすか引っぱたくか考え、私が選んだのは足を踏みつけることだった。



 その夜、リビングでノートパソコンを開き、デザインについて考えていた私の肩に、背後からぽすんと重いものが乗った。

「なんでひとりでやってんの」

 むっとした声の近さから、肩に顎を乗せられているのだとわかる。ついでとばかりに抱き締めようとした手は、軽く叩いて牽制しておいた。

「一緒に考えようよ。共同企画なんだからさ」

「私、まだ怒ってるんだけど」

「結婚したってバラしたから?」

「そう」

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